イタリアの経済 基本まとめ(201801更新)

(2018年1月11日更新)

1. 現況

(1)GDP(国内総生産)
2016年のイタリアのGDPは、18,589億ドルで、世界第7位の規模。EU内では独、英、仏に次ぐ4位(世銀)。

欧州主要国の1970年以降の名目GDPの推移は下の図の通り(世銀)。イタリアは1990年代初頭までは欧州2位を伺う勢いだったものの、その後、リラの下落によりフランスとの差が広がり、英経済の順調な伸張もあり、1997年以降は、一貫して欧州4位に甘んじている。現在ではドイツはもちろん、英仏との差もかなり開いている。

 

(2)一人あたりGDP
2016年のイタリアの国民一人あたりのGDPは30674.8ドル(世銀)。イタリアの一人あたりGDPは、2000年代前半に独仏のレベルに接近したが、リーマンショック以降は逆に差が広がり、2016年にはドイツに10,000ドル以上の差を付けられている。

ドルベースなので、為替の影響を受けて数値は大きく蛇行している。イタリアの一人あたりGDPは2007年と2008年に日本を上回ったものの、2009年に再逆転している。

 

(3)実質GDP成長率
2016年の実質経済成長率は0.9%。2014年にマイナス成長を脱したものの、スペインなどに比べ回復の勢いは弱い。

 

(4)物価動向
2016年の物価上昇率は-0.1%。1990年以降で初めてのマイナス。

 

(5)失業率
2016年の失業率は11.7%。イタリアの雇用情勢は決してよいとは言えないが、ユーロ圏平均と較べ著しく悪いわけではない。欧州主要国の中では、スペインの雇用が近年極端に悪化している。

2002年から2008年まではドイツよりも低いレベルだった。GDP成長率と同様、2008年から2009年にかけて経済情勢が急速に悪化した後の回復局面以降で、他の主要国と差がついている。

 

(6)貿易

 

主な輸出品: 医薬品、自動車、自動車部品、石油製品

主な輸入品: 自動車、原油、石油ガス、医薬品

 

2. 戦後経済の主な流れ

1958年から1963年にかけて高度成長。「経済の奇跡」と呼ばれる。
1960年代後半から大規模な労働争議が続く。
1970年、労働者の権利を大幅に強化する労働者憲章法が成立。
1975年、戦後はじめてのマイナス成長を記録。
1980年代前半、イギリスを抜き世界第5位の経済規模となる(すぐに抜き返される)。
1990年代、通貨統合へ参加するため、大規模な財政健全化策を継続して実施。
2000年代、ユーロ圏平均を下回る低成長が続く。
2007年、米でサブプライムローン問題が発生するも、イタリアへの影響は限定的。
2010年、欧州ソブリン危機発生後、世界から財政の成り行きを不安視される。
2012年から2013年まで2年連続のマイナス成長

 

3. 為替と金融

戦後イタリアは、「安いリラ」で輸出攻勢をかけ経済成長を達成してきた。一方で、不安定な貨幣価値と高インフレに悩まされた。そのため、通貨を安定させ、インフレを抑えるための政策がしばしば実施された。かつての中央銀行はイタリア銀行(Banca d’Italia)。現在は、欧州中央銀行に権限委譲。

1973年3月、「欧州通貨のヘビ」導入。
1979年3月、欧州通貨制度(EMS)が発足。
1981年、イタリア中銀による国債の直接引受を停止。
1998年5月、イタリアのユーロ参加が決まる。
2002年1月、ユーロ紙幣及び硬貨の流通はじまる。

 

統計参考サイト
http://ec.europa.eu/eurostat
http://data.worldbank.org/indicator

http://comtrade.un.org/pb/CountryPagesNew.aspx?y=2014