外国に出かけたとき、本を何冊もスーツケースに入れて後悔したことはありませんか。数カ国を回るときは、各国のガイドブックや関連本をたくさん持って行きたい気持ちになります。でも本はかさばるんですよね。そこで電子書籍。電子書籍が読める電子端末なら、いくら本を詰め込んでも大丈夫。電子端末で読めるイタリア関連の図書をご紹介します。
電子端末で電子書籍を読むためには、紙の本とちがって、少々準備が必要です。また、便利な反面、紙の本にはない特殊な事情もあります。図書を紹介する前に、まずは、そのお話しから。
ストアを選ぶ
電子書籍はインターネット上に設置されているストアを通じて購入します。有名なのはアマゾンKindleや楽天Koboでしょう。ほかにも、ソニーReader Store、honto、ebookjapanなどたくさんのストアが運営されています。
ストアの比較はここの口コミが参考になります →http://kuchiran.jp/life/ebookst.html
ただし、ランキングはあくまで口コミ投稿者の評価です。
購入後にダウンロードした電子書籍は、ストアの専用端末または専用アプリを利用して読むことができます。購入先とは異なるストアのアプリではダウンロードも本を開くこともできません。そのため、将来もし購入したストアがサービスを終了した場合、再ダウンロードができなくなるなどの不便が生じる可能性があります。のちのちのことを考えると、生き残りそうな有力ストアを選んでおくのが無難です。
ストア選びのもう一つの重要な要素は、当たり前ですが、欲しい図書が手に入るかどうかです。これは実際に確かめてみるのがベストです。例えば、「ダンテ 神曲」の2ワードで検索してみると、ヒットする件数は、
アマゾンKindle 34件(検索結果を見る)
楽天Kobo 23件(検索結果を見る)
Reader Store 36件(検索結果を見る)
とばらつきがあります。しかし、実際には、「神曲」翻訳の主要なヴァージョンは、3つのストアのどれでも購入が可能です(ソニーの検索結果にはダンテに関係ない本が多く紛れ込んでいます)。信頼できそうな翻訳では、河出文庫版、講談社学術文庫版、そして、角川ソフィア文庫版が電子化されています。
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海外での購入
海外で日本の電子書籍をダウンロード購入したい場合、注意が必要です。ストアによって制限の方法が異なるものの、多くのストアが原則として日本国内限定のサービスとなっています。
イタリアからの場合、例えば、アマゾン日本では、ユーザーがアクセスしている場所を自動判定して、外国からの電子図書購入を不可能にします(アマゾン・イタリアが取り扱っている少数の日本語書籍の購入が可能)。楽天Koboでは、今のところWebサイト上での購入は可能です。アプリも旧バージョンですがダウンロードできます。ソニーReader Storeでは、電子図書の購入は可能ですが、それを読むためのアプリのダウンロードができない可能性があります。
シャープGALAPAGOS STOREは、反対に、海外での利用が可能なことをウリにしています(→海外でも日本の電子書籍が読める)。実際に登録して試したところ、アンドロイドアプリのインストール、無料コンテンツの「購入」、図書のダウンロード、そして、図書の閲覧まで、イタリアからスムーズに行うことができました。
専用端末について
ストアで販売されている電子書籍を読むための専用端末として、以下の機種が発売されています。
・アマゾン Kindle Voyage Wi-Fiなど3機種
・楽天Kobo Kobo Gloなど3機種
・ソニーReader
・BookLive Lideo
共通するのは、画面にモノクロの電子ペーパーを使用していること、電池の持続時間が長い(1日一時間利用なら数週間)ことなどです。このうち、KindleとKoboの端末には、うす暗いところでも読めるようバックライトが付いています。バックライトがあれば、夜間、天井のライトだけで問題なく本が読めるので、非常に便利です。
上記四つのストアすべてが、スマフォやタブレットで読むためのアプリも提供しています。購入した電子書籍は、複数の端末にダウンロードして読むことができるので、同じ本を外出中はスマフォやタブレットで読み、帰宅後は専用端末で読むこともできます。端末を変えても、読んでいた位置に自動で合わせてくれます。
最初、スマフォやタブレットで図書を購入し、あとから専用端末が欲しくなる可能性があることを考えると、上の四つのストア、なかでも、専用端末にバックライトが備わっているKindleとKoboは魅力的な選択肢といえます。
ソニーについては、新型の専用端末の発売がなく、海外での電子書籍事業を終了したことなどから、将来の事業継続に多少不安があります(私自身は、ここでの購入冊数が最も多いのですが)。なお、紀伊國屋書店が扱う電子書籍の多くは、ソニーの専用端末でも読むことができます(端末にデータを移すためにはパソコンが必要)。
専用端末かタブレットか
7インチから10インチのタブレットも読書に向いています。特に7インチのタブレットは、持ち運びも楽で、文庫や新書を読む感覚で使用することができます。一方、10インチタブレットは、マンガを読むのにちょうどよい大きさです。というのは、漫画本はページ全体を1枚の絵としてデータ化しているため、画面が大きくなれば、そのぶん全体を表示したときの字のサイズが大きくなるからです。ただし、7インチに比べて10インチのタブレットはかなり大きくなります。
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タブレットの場合、使い方次第ですが毎日のように充電する必要があります。液晶画面は明るい日差しの下では読みづらくなります。また、専用端末に比べるとどうしても重くなります。
もちろん、無視できないメリットもあります。一つは、美しいカラー画面でマンガや雑誌のカラーページを楽めること、そして、もう一つは、ストアのアプリをインストールすることで、複数のストアの本を読めるようになることです。
マンガ本の多くはカラーのページがあります。カラーとモノクロでは、下の二つの絵のように、かなり印象が変わります。やはり、カラーのページは本来の色で楽しみたいものです。また、オールカラーのマンガも増えています。
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おすすめは、タブレットと専用端末の両方を持つことです。二つあれば、一方が他方のバックアップになってくれるので、旅行中に電源が切れたり、壊れたり、なくしたりしたときに助かります。
電子書籍の弱点はページめくりが簡単にできないことです。とくに旅行中は不便に感じるかもしれません。そんなときは、必要なページのスクリーンショットを撮っておくことをおすすめします。そうすれば、比較的簡単に必要な情報を呼び出せます。
図書のご紹介は次回に。