シビルユニオン法案がイタリア上院を通過

2月25日、同性カップルに一定の法律的な権利を認める「シビルユニオンunioni civili」法案がイタリア上院を通過しました。
情報源:www.afpbb.com ほか

国中を揺るがすこの画期的な法案に関するおもな情報・話題をまとめました。

シビルユニオンとは?

そもそも「シビルユニオン」という聞き慣れない外来語は何を意味するのでしょう。コトバンクにはこうあります。

シビルユニオン【civil union】
法律上の婚姻ではないが,一定の関係にある異性あるいは同性どうしで,一定の手続きの上,法律婚と同様あるいは類似する法的権利を認められているカップルのこと。男女間の婚姻とは区別して,市民契約,合同生活,市民的結合などと訳される。
出典:コトバンク

同性婚とは一線を画すものの、法律的な権利が認められにくい「事実上のカップル」から一歩法律婚に近づけた制度といえます。現在、西欧主要国の中で唯一、イタリアだけが、同性婚やシビルユニオンを公的に認知する制度がないとのこと。
情報源:毎日新聞WEB「イタリア 国論が二分… 同性カップルの権利法案提出前」

ちなみに、日本では東京都渋谷区が2015年11月から「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」に基づき、「パートナーシップ証明書」の交付を行っています。渋谷区の場合、パートナー両者の住民票が渋谷区にある同性カップルを対象としているようです。
参考:渋谷区HP

11月5日の「第1号カップル」は、イタリアでも写真付きで紹介されました。

イタリアでも、すでに多くの自治体がシビルユニオン登録を実施しています。例えば、ミラノ市は、2012年9月18日からシビルユニオン登録を受け付けています。ミラノ市の場合、異性カップル、同性カップルのどちらも登録できます。
情報源:www.comune.milano.it www.ilgiorno.it www.wikipink.org 

2013年5月には、ミラノ市のシビルユニオン登録が615組に達したと報道されました。うち、158組が同性カップル、457組が異性カップルでした。
情報源:milano.corriere.it

このシビルユニオン制度を国家法レベルに引き上げるのが、今回のシビルユニオン法案です。

イタリアのシビルユニオン法案

イタリア国会でも、これまで何度もシビルユニオンを制度化するための法案が提出されています。2007年には、フランスの民事連帯契約(PACS)にならった法案(DICO)の成立が期待されましたが、時の政権が崩壊したため実現しませんでした。
情報源:www.dirittierisposte.it

提案者はチリンナ上院議員

2015年10月にモニカ・チリンナ上院議員(民主党)によって上院に提出されたシビルユニオン法案は、中道左派の民主党を第一党とするレンツィ連立政権の強力バックアップもあり、2016年2月に上院通過。現在、下院での審議が始まったところ。チリンナ上院議員によれば、下院の審議に2ヶ月はかかるが、5月には修正なしで下院を通過する見通し。
情報源:www.senato.it www.monicacirinna.it

4つのポイント

コリエレ・デッラ・セーラ電子版は主なポイントとして以下の4点を挙げています。
1.パートナーに配偶者と同等の権利が認められる(例:遺族年金)。
2.パートナー間に貞操義務はないものの相互扶助義務はあり。
3.パートナーの連れ子を養子にできることの明文化は回避(後述)。
4.登録できるのは成人のみ。婚姻障害事由に類似した制約あり。
情報源:www.corriere.it

ミラノ市のシビルユニオン制度と違って、チリンナ法案では同性カップルだけを対象にしているようです。他にも、
・シビルユニオン解消のために必要な別居期間は3ヶ月。
・婚姻と異なり公告の義務がない(婚姻の場合、8日間公示)。
・外国人パートナーに滞在許可が出る。
・同一の姓を名乗ることができる。
などが指摘されています。
参考:www.ilpost.it www.afpbb.com

パートナーの連れ子との養子縁組

イタリア法では、配偶者の連れ子(継子、stepchild)を養子にする場合、通常の養子縁組の場合に設けられている条件などの規定の一部が適用除外されますが、この除外規定をシビルユニオンのパートナーにも適用するかどうかで、連立政権内でも意見が分かれました。結局、政権中道右派が押し切る形で適用は見送られました。ただし、養子縁組そのものが不可能という意味ではないようです。
参考:www.afpbb.com

ちなみに、フランスでは、シビルユニオンのパートナーの実子との養子縁組を認めないという破棄院(最高裁)判決があるようです。
参考:ndl.go.jp

気になる教会の反応などはまたの機会に。

画像出典:st.ilfattoquotidiano.it

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