イタリアの2015年11月失業率は11.3%

Operai Fiat lavorano alla catena di montaggio della Panda nello stabilimento di Pomigliano D'Arco in una foto d'archivio. ANSA/STRINGER出典: Disoccupazione novembre a minimi 3 anni – Economia – ANSA.it

7日、イタリア国家統計局(ISTAT)が2015年11月の雇用統計を発表しました。
情報源:http://www.istat.it/it

11月の失業率は11.3%

国家統計局によれば、昨年11月の失業率は前月より0.2%低い11.3%でした。前年同月の13.1%から1年で1.8%改善したことになります。失業者の数そのものも前月に比べ約4万8千人減少しました(-1.6%)。前年11月からの1年間で失業者は47万9千人減少しました(-14.3%)。

出典:http://www.istat.it/it

9月、10月はわずかに減少していた就業者数は、11月は+0.2%(3万6千人)と微増しました。前年11月からの1年間で就業者は20万6千人増えました(+0.9%)。

若年層の失業率も改善

若年層(15-24歳)の失業率は、前月より1.2%低い38.1%でした。前年同月の43.0%から1年で4.9%も改善したことになります。

前年11月からの1年間で、若年層の失業者数は15万7千人減少(-19.8%)しました。しかし、就業者数の増加は3万人に過ぎず、大幅に増えたのは非労働力人口(8万5千人増)です。

増加している非労働力人口

この一年間で、失業率が下がり失業者が減ったものの、就業者の数が同じだけ増えたわけではなく、むしろ、就業も求職もしない人(学生、主婦、年金生活者、プータローなど)が、それ以上のペースで増え続けています。

11月の15歳から64歳の非労働力人口の比率(15歳から64歳の総人口に対する労働力(就労者+失業者)に含まれない人の割合)は、10月と同じ36.3%でした。前年11月からの1年間で非労働力人口は13万8千人増えました(+1.0%)。

年齢帯別の非労働力人口比率を見てみると、意外にも50歳から64歳までの年齢帯では前年同月比で0.8%低下しています(39.3%)。50歳から64歳までの就労者も、この一年でむしろ増えています(前年比+4.2%)。失業率も7.5%から6.3%に改善しています。高齢労働者は早期リタイアどころか、むしろより職場に留まる傾向です。

一方で、24歳から34歳までの非労働力人口比率は、前年11月から3.2%上昇し、28.2%に達しています。就業者数も減っています(前年比-1.4%)。言い換えると、大学を卒業し最初の就職をする人が多い年齢帯で、就業も求職もしない人が増えています。同年齢帯の失業者数(前年比-14.3%)は大きく下がっているものの、裏にはこうしたあまり喜べない状況があります。

正規雇用と有期雇用

契約形態ごとの統計を見てみると、有期雇用労働者の数は10月より1.3%減り、期間の定めのない労働契約の労働者(正規雇用労働者)は10月より0.3%増えました。

前年11月との比較では、有期雇用は4.5%増え、正規雇用は1.0%増えています。レンツィ政権では正規雇用拡大策がとられているものの、増えているのはむしろ有期雇用で、被雇用者全体(正規雇用+有期雇用)における正規雇用の割合は、前年11月の86.1%から85.7%に低下しています(-0.4%)。

レンツィ首相は成果を強調

レンツィ首相は、失業率の低下が、レンツィ政権の「ジョブズ・アクト」(労働法制改革・雇用対策パッケージ)の成果であることを強調する言葉をツイートしました。

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