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カトリック教会の「特別聖年」が始まります

投稿:2015年12月04日 | 更新:2015年12月19日

12月8日、いよいよカトリック教会の「いつくしみの聖年(特別聖年)」が始まります。

聖年とは

「聖年(イタリア語でジュビレオ)」は、50年に一度「聖なる」年を祝うユダヤ人の古い習慣に由来します。カトリック教会では、ローマ教皇ボニファティウス8世が西暦1300年を聖年と定めたのが始まりです。

ボニファティウス8世は、最初の聖年以降、100年ごとに聖年を祝うことを定めましたが、1342年に、教皇クレメンス6世が50年ごとに改め、1350年に二度目の聖年を祝いました。1389年には、ウルビヌス6世がキリストの生きた33年ごとに聖年とすることを決め、1390年、ボニファティウス9世により3度目の聖年が執り行われました。その十年後の1400年に、今度は、クレメンス6世が定めた50年ごとというルールに従い聖年が実施されました。1425年には、マルティヌス5世が、1390年の33年後(の二年遅れ)という名目で聖年を祝いました。1450年には1400年から50年という理由で聖年を祝いました。それ以降、25年おきというルールが確立し(1800年と1850年を除く)、2000年の「大聖年」まで合計26回行われています。
参考:http://www.treccani.it/enciclopedia/giubileo/

今回の聖年は「特別聖年」

上記の通常の聖年に加え、16世紀以降、教皇の即位後などの機会に、信徒たちの信仰心を高める目的で、何度も「特別聖年」が行われています。これから始まる聖年も「特別聖年」です。教皇フランシスコは、今年4月、12月からの特別聖年の開催を布告しました。開始日の2015年12月8日は、「無原罪の聖母の大祝日」であり、また、第2バチカン公会議の閉会から50周年にあたります。

免償

聖年には信者が特別の赦し(免償)を与えられるとし、この期間中には、救済のための特別な扉である、「聖年の扉(porta santa)」が開きます。

免償(indulgenza)とは、「すでにゆるされている罪(peccato)に伴う有限の罰(pena temporale)の一部または全部の免除をうけること」です。ある罪を犯したとき、「ゆるしの秘跡(ざんげ)」により罪を赦されても、罰(償い)は残ります。免償により、この有限の罰が軽減されます。
参考:Laudate | キリスト教マメ知識INDULGENZA GIUBILARE

聖年の扉

教皇は、免償を得るために、真の回心を深く望んでいるしるしとして「聖年の扉」に向けて短い巡礼を行なうことを信徒に促しています。「聖年の扉」は、各教区の司教座聖堂または司教が指定する教会、ローマの教皇付属の4つの大聖堂、さらに巡礼聖堂や聖年の免償の伝統を持つ教会に設けられています。

ローマの教皇付属の4つの大聖堂とは以下の4つです。
・サン・ピエトロ
・サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ
・サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ
・サンタ・マリア・マッジョーレ
通常は内側からコンクリートで塗り固められている扉が開かれます。

多くの巡礼者が集まることが予想されるため、バチカンは、サン・ピエトロ大聖堂の聖年の扉を確実に通過したい巡礼者に登録と予約を呼びかけています。イタリア語の他、英語、フランス語などでの予約が可能です。
予約サイト:http://www.im.va/content/gdm/en/partecipa/registrazione.html

巡礼時、神のいつくしみについての深い思いと共に、「ゆるしの秘跡」を受け、ミサに参加することが重要です。さらに、これらの秘跡に加えて、信仰宣言を唱え、教皇のため、また教会と世界の善を願う教皇の意向のために祈らなければなりません。
出典:http://ja.radiovaticana.va

キリスト教徒でなくても、聖年の意義に留意し、巡礼はただの観光とは異なることを認識しておくべきかと思います。
参考: 教皇フランシスコ「いつくしみの特別聖年のための祈り」

堕胎という罪への赦し

教皇は、聖年に向けた書簡の中で、特に妊娠中絶をした女性たちに言及し、堕胎の選択をしたことに対して深い傷を心に負い、今も苦しんでいる人たちが多くいると指摘し、この聖年の間すべての司祭に、堕胎の罪を犯したが、心から悔悛して赦しを願う者に対し、罪の赦しを与える権限を許可しました。
出典:「いつくしみの特別聖年」の免償についての教皇書簡

聖年の日程

12月13日 ローマのラテラーノの聖ヨハネ大聖堂、聖パウロ大聖堂の「聖年の扉」が開かれる。
2016年1月1日 ローマの聖マリア大聖堂の「聖年の扉」が開かれる。
1月25日 「聖パウロの回心」の祝日、城壁外の聖パウロ大聖堂で教皇ミサ。
11月13日 ローマのバジリカの「聖年の扉」が閉じられる。
11月20日 教皇はバチカン・聖ペトロ大聖堂の「聖年の扉」を閉じ、聖年終了。
出典:「いつくしみの特別聖年」の主な教皇行事

ローマ市内の推奨巡礼コース

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(参考)外務省:
バチカン・イタリア:特別聖年(ジュビレオ)に関する注意喚起

カバーフォト出典:http://ja.radiovaticana.va